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【お役立ち情報】がん患者さん家族の状況とサポートについて解説!相談窓口も

こんにちは、ジョニー・Jです。

今回の記事は、がん患者さんの家族についてです。この記事を読むと、がん患者さんの家族の状況、家族のサポートに関する知識が得られます。

私の場合、病名告知後のひと月は、強いショックのために荒れまくっていました。なぜ私が?という怒りの矛先は家族に向かい、悲しみや辛さをひどい言葉にして散散、家族へぶつけました

その後、辛さを受けとめてくれた家族のおかげで、私は立ち直ることができ、同時に病気と向き合う日々が始まりました。今あらためて思うと、申し訳なさと感謝の気持ちで胸が一杯になります。

闘病の苦しみは、患者本人だけのものではありません。家族も同じように、いやそれ以上に苦しみます。私が家族の心情を理解するまでに、ずいぶん長い時間を要しました。

  目次

 

1. がん患者さんの家族は「第二の患者」

闘病の渦中にある患者さんは、常に家族の助けを必要としています。また家族は、医師や看護師から患者ケアの重要な担い手であることを期待されます。

 

しかし、患者さん同様、家族にもさまざまな不安やストレス葛藤が生じます。そうした家族を「第二の患者」と位置づける研究者もいて、患者さんだけでなく、患者さんの家族に対しても、心理面・社会面からのサポートが必要だと訴えます。

 

家族は、患者さんの病状や心理状態に大きく揺さぶられます。患者さんに寄りそいながら、病気の行方を見守るためには、とても大きなエネルギーを必要とします。時に家族は、厳しい状況を受け入れなければならないことも。

 

2.がん患者さんの家族が経験すること

2-1.家族の経験

家族とは情緒的結びつきの強い一つの集合体です。そのため、家族の誰かががんにかかるということは、家族全員に大きな精神的、物質的負担をもたらします。

 

実際、患者さんの家族は、自分自身の心理的な問題に対処するだけでなく、患者さんのケアに関して、心身両面にわたり多くの役割を担うことになります。

 

例えば、患者さんの身の回りの世話、介護。患者さんの精神的な支え、経済的問題への対応。さまざまな意思決定への参加・共有なども含まれます。

患者さんの家族は、患者ケアにおける協力者・提供者として、大きな役割変化に対処することになります。

 

2-2.家族のストレス

患者さんの家族は、どのような負担やストレスを抱えているのでしょう。

 

先行研究によると、不安、抑うつ、怒りなどの精神的苦痛身体的な負荷、患者さんの今後の病状に対する不確実性への懸念、役割とライフスタイルの変化への対処経済的問題などがあげられています。

 

家族の心理的な苦痛は、患者さんと同じくらい、あるいは患者さん以上に強い苦痛であることが、多くの研究により示されています。精神症状として頻度の高いものは、患者さんと同様、適応障害うつ病です。

 

そのため、患者さんと家族に対して、一体でこころのケアを行っていくことが大切です。

 

2-3.家族へのサポート

一般的に家族が最も必要としているサポートには、適切な情報さまざまな側面における家族自身に対するサポートがあります。

 

適切な情報とは…… 患者さんが快適に過ごすことができるようにするための医学的な知識やスキルに関するもの。痛みに対する適切な知識。ケアに際しての基本的事項に関するもの(入浴介助など)。将来出現することが予測される症状などです。

 

家族自身に対するサポートとは…… 経済的問題にどのように対処したら良いかという現実的なものも含まれますが、最も大切なことは、家族の抱く辛い気持ちの言語化を促し、その辛さや家族の置かれている苦境に理解を示し、共感することです。

そのために、医療ソーシャルワーカーや心理士などの専門職が支援します。また、家族も患者サロンなどを利用して、同じ経験を共有する方との会話もお勧めです。

 

家族の意見がまとまらないなど、家族としての機能が十分に果たせていない場合には、その家族間の問題点を明らかにして、家族全体として介入を行うこともあります。この場合、医療ソーシャルワーカーや心理士などの専門職が支援に入ります。

 

2-4.家族のセルフケア

家族は、自分のストレスや辛い思いに対し、自分自身でどのように対処できるでしょうか。

 

対処①…… ひとりで抱え込まずに、誰か信頼できる方に相談することが大切です。例えば、友人がんの患者さんを家族に持った経験のある方に話してみましょう。

 

対処②…… 完璧な介護を目指すのではなく、さしあたりの合格点を目標にするということも大事でしょう。例えば、心身に強い疲労を感じているのなら、誰かに援助を頼んで、いっとき介護から離れてみましょう。あるいは、介護サービスの積極的な利用も考えましょう。

 

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3.家族支援のリソース

3-1.医療関係者

がん患者さんの家族が、医療に関して不明な点があったり、不安や心配事などを抱えている時には、躊躇することなく、担当医や看護師に話してみましょう。

 

3-2.病院の相談窓口

病院の相談窓口である、『がん相談支援センター・地域医療連携室・医療福祉相談室』などでは、患者さんだけでなく、ご家族の相談にも対応してくれます。

身体障害者手帳障害年金・高額療養費制度の申請・利用に関しても、上記の相談窓口で知識・援助を得ることができます。

 

3-3.患者サロン

 患者サロンは、 患者やその家族などが同じ立場のものとして、病気のことなどを気軽に本音で話し合える交流の場です。病院や地域の集会場などで開かれ、患者や家族が運営の主体となる場合もあれば、医療者が中心になることもあります。また、患者と医療者が協力しながら運営するケースもあります。

 

3-4.市区町村の公的機関

介護サービスの利用が想定される時には、お住まいの地域の『地域包括支援センター』『市区町村の介護保険担当窓口』に相談しましょう。

 

3-5.情報リソース

インターネットを利用した情報入手先として、『国立がん研究センター がん情報サービス』『認定NPO法人キャンサーネットジャパン がんと生活のこと』『ファイザー製薬 がんを学ぶ』などが信頼性の高いサイトです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。冒頭で、私のダークな経験を語ってしまいました。今は、家族のしてくれた、思いやりを初めとする全てのサポートに感謝、感謝です。早い内から気づいて、私の方からも労う言葉かけができていたらと、悔いを残しましたが…。

 

でも、病気に罹患したばかりの頃は、あえて家族に苦しい胸の内を思いの丈話させてもらうことは、やはり大事なことです。気持ちが落ち着いてきたら、家族への「ありがとう」の声かけが大切になるかと思います。

 

家族の側からすると、病気にかかった本人を思うだけでなく、ご自身の心身両面にわたるケアが大切になってくるかと思います。

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

 

《参考文献:明智龍男「がん患者家族のサポート」、日本評論社、『こころの科学』、家族を支援する、155号、2011.1》

《参考文献:日本心理学会(監修)松井三枝・井村修(編者)『病気のひとのこころ』誠信書房、2018》

《参考サイト:国立がん研究センター がん情報サービス、(2017.01.26)、家族ががんになったとき、(https://ganjoho.jp/public/support/family/fam/index.html)、2021.05.23取得》