とうびょうライトハウス

病気と向き合う方をサポートしたいブログです

病気・障害の辛さや課題を乗りこえるために ― まずは適切な相談窓口へ

こんにちは、ジョニー・Jです。

今回は、病気や障害に対応する相談窓口についての記事です。

突然の病気、しかも決して軽くない病気になった時、とにかく病院へ駆けつけます。

診察、検査そして病名を知らされて、しばし病気と向き合う日々が始まります。

これから治療がどう進み、どのくらいの日数を要するのか。医療費はどれくらいかかるのか。公的制度の支援にはどんなものが…などなど。

頭の中をぐるぐる心配事がかけまわり、どこから手をつけたら良いのかと。

そこで大切になるのが、適切な相談窓口を見つけることです。

窓口には専門の相談員がいて、訪れた患者の問題・課題に見合う援助をしてくれます。

場合によっては、適切な機関へ繋いだり、医師や医療スタッフとの仲介をしてくれることも。

今回の記事では、病気に関わる相談窓口の基本知識を紹介します。

 

 目次

 

 

1.先ずは病院の医療相談室へ…  患者の相談・支援窓口

医療相談室には、MSW(医療ソーシャルワーカーと呼ばれる専門職が配置されています。

MSWは、病気や障害による社会生活上の問題をもつ、患者やその家族に対する援助活動を担います。

その際、さまざまな問題を調整・解決するために、社会保障社会福祉サービスなどの社会資源を紹介・活用して、患者とその家族が自立できるように支援します。

 

★以下、MSWの各業務内容です

①療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助

②退院援助

③社会復帰援助

④受診、受療援助

⑤経済的問題の解決、調整援助

 

★病院内での援助として…

患者の経済的援助。受診・受療の側面的支援。心理的援助。退院援助。家族関係の調整。医療スタッフとの連携など。

※経済的援助では、負担を軽減する制度を活用します。

 

★地域における退院後の援助として…

患者の住む地域において、介護サービス等の支援体制を作ります。その際、地域包括支援センターやケアマネジャーなどと連携。また、社会復帰を支援する制度を紹介・調整します。

 

※MSWのいる部署の名は、医療機関によって異なり場合があり、医療相談室のほかに、地域医療連携室、よろず相談室と呼ばれることもあります。

 

★以下は、MSWがよく受ける相談例です

・主治医から「この病院では、もう治療が難しい」と言われて、これから、どんなふうに生きていけばいいのかわからない。(緩和ケアへの移行期の問題)

 

・治療費や生活の負担は、どのくらいかかるのか(経済的な問題)

 

・治療法を選ばなければならない。どう考えたら良いのか。(治療法の選択)

 

※そのほかには…

・がんと言われてショックだ。とにかく話を聴いてほしい。

・最近、気になる症状がある。どこの病院の何科を受診すればいいのか。

・今、こういう治療を受けているが、このままで大丈夫なのか。

・主治医から聞いた以外にどんな治療法があるのか調べたい。どうしたらいいか。

・家族や会社には、病気のことをどう伝えたらいいか。

セカンドオピニオンを受けたいが、どうすればいいか。

・聞きたいことがあるが、主治医は忙しそう。うまく話すためにはどうしたらいいか。

患者会に入ってみたいが、どんな活動をしているのか。

 

2.さらに専門的な対応ができる相談窓口

病院に設置されている医療相談室は、主に来院患者を対象とする、福祉相談の標準的な窓口です。その一方で、より専門性の高い相談に対応する窓口があります。

 

1)がん相談支援センター

がん相談支援センターは、全国すべてのがん診療連携拠点病院などにあり、がんのことや治療のこと、今後の療養生活のことなど、がんに関するさまざまな質問や相談に対応します。

 

2)難病相談・支援センター

難病の患者が地域で安心して療養しながら暮らし続けていくことができるように、難病患者や家族に対する相談支援、地域交流活動の推進、就労支援などを行う拠点施設として設置されています。

 

3)精神保健福祉センター

精神保健福祉相談では、アルコール依存、薬物依存、ひきこもり・思春期、認知症高齢者などに関する医療、メンタルヘルスについてさまざまな相談ができます。他に、社会復帰や自立などの相談にも対応します。

 

4)発達障害者支援センター

発達障害者・児への専門的支援を総合的に行います。具体的には、早期発見・早期支援に向けた発達障害者や家族への専門的相談支援と助言。発達障害者への専門的な発達および就労の支援。

 

3.障害者に対応する相談窓口 (※上記以外)

1)市区町村・福祉事務所

2)保健所

3)基幹相談支援センター

4)相談支援事業所

5)高次脳機能障害支援センター

 

4.高齢者に対応する相談窓口

1)地域包括支援センター

2)居宅介護支援事業所

3)市区町村・福祉事務所

 

5.家庭・子どもに対応する相談窓口

1)市区町村・福祉事務所

2)児童相談所

3)子育て世代包括支援センター

4)婦人相談所

5)配偶者暴力相談支援センター

 

6.生活困窮に対応する相談窓口

1)市区町村・福祉事務所

2)生活困窮者自立相談支援機関

 

 

まとめ

患者さん、障がい者さん、高齢者の方など、その人に適した相談窓口があります。

敷居の高さを感じて利用を躊躇されていた方も、この記事をきっかけに、ぜひ一度窓口を訪ねてみてください。

また、上記で紹介したように、お住まいの地域には多様な相談窓口があります。なんらかの困りごとが生じた際は、「相談窓口の名称」+「お住いの地域名」で検索してみてください。いくつかの候補が検索結果にあがります。また、病院や市役所等に問い合わせることもできます。

 

最後まで、お読みくださり、

ありがとうございました。

 

「参考文献:福原麻希『がん闘病とコメディカル講談社<現代新書> 2007年」