とうびょうライトハウス

病気と向き合う方をサポートしたいブログです

闘病する人の心に効くことば ― 病気を乗り越える力 ―

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みなさん、こんにちは。ジョニー・Jです。

今回は、鈴木秀子さんが書かれた『愛と癒しのコミュニオン(文芸春秋』をもとに、「病気を乗り越える力」をテーマとしました。

著者の鈴木秀子さんは、聖心女子大学文学部教授を経て、現在、文学療法やエニアグラムなどの指導をされている方です。

私は元々、 他の内容を期待してこの書籍を購入しました。けれど、闘病経験のある私は、「病気を乗り越える力」の記述に強く関心をひかれたのです。もちろん、メインテーマも素晴らしかったのですが。

本文では、書籍から数か所を引用して、私の感想を加えました。

病気と共に暮らすヒントを、ご一緒に見つけましょう!

 それでは。

 

  目次

 

◇著者は、病気を乗り越える力を発揮し、奇跡的な回復を見せる人には、共通点が3つあると言います。

 

病気を乗り越える力を発揮する人 共通点①

 「第一は、病気も意味があって起こると考え、病気になったからといって不幸とはかぎらないと思っている点だ。つらく苦しいことに変わりはないのだが、病気があっても人間は幸せを失わないと信じているのである。こうした思いを持つためには、現実を受け入れ、現実と戦わないことが重要となる。…(略)…… 病気がどんなに体と気持ちを虐げようとも、心の深いところで、人の知恵を超える計らいに任せきった安らぎに通じるものがある」

 

 ☆私の感想☆

共通点①のポイントの一つは、病気になっても人は『幸せを失わないと信じている』という点です。普通は病気=不幸と考えがちです。しかし、決して幸せを失うことはないと確信し、なおもその気持ちを持ち続けるなら、前に進むための良き想いや行動が生まれてくるということです。

 

共通点①のポイントの二つめは、『現実を受け入れ、現実と戦わないこと』というところ。現実というワードを病気と入れかえることもできますが、病気から生じる「辛い気持ち」を当てはめることもできるでしょうか。

 

すなわち、病気から生じる苦しい状況を受け入れ、その苦しい状況に過剰反応せず落ち着いて一つずつ対処する、と私は受け取りました。そうするなら、たとえ病気であっても、幸せを決して失うことはないのだと著者は言います。

 

共通点①のポイントの三つ目は、『人の知恵を超える計らいに任せきった安らぎ』というところです。『現実を受け入れ、現実と戦わない』ためには、この任せきることが大事だと。

 

例えば、熱心な信徒が神に最後の願いをして、未来に起こる事すべてを神に委ねるような……。つまり、大きな力にすべてお任せして、あとはどっしり構えるという感覚。その感覚が安らぎを生むのだと。

 

夏目漱石の名言に『則天去私(そくてんきょし)』というのがあります。小さな私にとらわれず、身を天地自然にゆだねて生きるという意味です。この則天去私の境地に近いものかも知れません。

 

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病気を乗り越える力を発揮する人 共通点②

 「自分の運命は引き受けるという覚悟とともに、それでも生きる意欲にあふれていることである。生きたいという力強さを失わないのである。それは、生かされていることへの感謝である。いま、こうして家族と話ができる。生かされ、楽しみを得られることに対する感謝の気持ちがとても大きいのだ。人間を超えていのちを与えてくれる存在への感謝である」

 

☆私の感想☆

病気と向き合うに当たり、『運命を引き受ける覚悟』と共に『生きる意欲』が大事であると。この覚悟と意欲を支える基盤が『生かされていることへの感謝』だと著者は言います。

 

日々の暮らし、家族との関わり、そして高次の存在への感謝があってこそ、長い闘病生活を覚悟を持って意欲的に取り組めるのだと著者は言います。自分に関わってくれている人たちへ、率直にお礼の気持ちを日々伝えることが、『感謝』を実践する第一歩となるのでしょう。

 

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病気を乗り越える力を発揮する人 共通点③

 「もし病気が治り、生き長らえることができたら、与えられた時間を何らかのかたちで、人のために活かしたい、人に尽くしたいという強い願望を持っていることである」

 

☆私の感想☆

重い病気を乗り越えた方が、ただ元の生活に戻るだけでなく、何らかの形で今度は患者を支援する側に回ったり、社会貢献事業を起こしたりするのをよく聞きます。中には、まだ闘病が現在進行形であるにもかかわらず、同病患者らのためにチャリティ活動を始める方もいます。その強靭な精神力には本当に敬服するばかりです。

 

一度重い病気に罹った体験をすると、それ以前の一分とそれ以後の一分とではまるで重みが違ってくることに気づきます。これは私ばかりではないでしょう。ものの見方の変化こそが、闘病経験者を居ても立ってもいられないような価値ある行動へと駆り立てます。

 

まとめ

 今回は、鈴木秀子さんの著書から引用させていただき、病気を乗り越える力を発揮して奇跡的な回復を見せる人の共通点について書きました。

 

特に印象に残ったのは、

人の知恵を超える計らいに任せきった安らぎ

人間を超えていのちを与えてくれる存在への感謝

という言葉。

 

このふたつを会得する人は、「人のために尽くしたいという強い願い」を持つようになり、やがて人に貢献する活動へと駆り立てられるのです。

 

今回も最後までお読みくださり、

ありがとうございました。