闘病映画から得られるヒント ― 『最高の人生の見つけ方 (THE BUCKET LIST)』 ―
こんにちは、ジョニー・ジョニーです。今回は、重い病を抱えたふたり、カーターとエドワードの型破りな闘病生活を描いた作品、『最高の人生の見つけ方』を紹介します。
末期がんを患う中年男性のふたりが、たまたま同じ病室で顔を合わせることに。そのまま重苦しいストーリー展開になるかと思いきや、物の弾みで思わぬ方向へと発展。なんと、ふたりは世界旅行へと旅立ち、希望の光を見出します。もう、病気のことは忘れてしまったかのように。
この映画には涙や笑いを誘う場面がたくさんあり、その上、入院生活のあるあるや闘病のヒントがいくつも発見できます。
辛い状況にあっても見出し得る希望や夢、そしてかけがえのない家族や友人の大切さをこの映画は教えてくれます。
映画の中で示された格言、『目を閉じて、水の流れに身を任せるのだ』。カーターとエドワード、ふたりの旅はこの言葉に収束していきます。
それでは。
目 次
- 『最高の人生の見つけ方』 あらすじ
- 映画から得られる闘病生活のヒント① 相部屋のマナー
- 映画から得られる闘病生活のヒント② ピアの関係
- 映画から得られる闘病生活のヒント③ 希望や夢
- 映画から得られる闘病生活のヒント④ 大切な人
- 映画から得られる闘病生活のヒント⑤ 語られた名言・格言
- まとめ
『最高の人生の見つけ方』 あらすじ
2007年製作/97分/G/アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース
家族を愛するまじめで心優しい自動車整備士のカーターと、一代で莫大な富を築いた傲慢で孤独な実業家のエドワード。 そんな対照的な中年おとこのふたりが、たまたま同じ病室で入院生活を送ることに。しかも、そろって余命6か月の宣告を受けてしまうのです。
カーターは、かつて恩師から教わった死ぬまでに叶えたいリスト”バケットリスト”を作ってみました。それを盗み読んだエドワードは、このアイデアをとても気に入ります。その上エドワードは、そのバケットリストを実行しようと、カーターと病院を抜け出して人生最後の冒険旅行へと旅立ちました。
※ 下記の予告編から、その様子を知ることができます。
手始めにふたりは、スカイダイビングとカーレースを体験。その後、エドワードのプライベートジェットを使って世界旅行に出発すると、アフリカでのハンティングツアー、エジプトのピラミッドやインドのタージマハル、中国の万里の長城を訪れ、果たし得なかった夢を実現していきます。さらにはチョモランマ登頂を試みますが、これは天候に恵まれずに中止。
やがてカーターは、最愛の妻のことを想い出しました。エドワードも、絶縁状態にある愛娘についてカーターに語り出します。そして香港経由でアメリカへ戻ることに…。
映画から得られる闘病生活のヒント① 相部屋のマナー
映画の初めは、主にふたりの病室シーンです。二人部屋のベッドのひとつをカーター(モーガン・フリーマン)が占有しているところへ、エドワード(ジャック・ニコルソン)が入院してきます。
エドワードはケタ外れのお金持ちで、この病院の経営者でもあります。ごく普通の自動車整備士のカーターと大富豪のエドワード。ふたりの立場や気質の隔たりがユーモラスに描かれます。
映画のシーンから、同部屋の患者との良い関係性が、穏やかな入院生活にはとても大事なことだと分かります。テレビの音やエアコンの設定温度での諍いは、同部屋の患者同士によくある対立要因です。ささいなことのようですが、ちょっとした心づかいが闘病中の患者にはありがたいのです。
映画から得られる闘病生活のヒント② ピアの関係
エドワードは、ステージ4のがんであることを告げられました。気の強いエドワードですが、さすがに落ち込んでしまいます。
やがて抗がん剤治療が始まると、昼夜に渡る副作用がエドワードを苦しめます。一方のカーターも同じ境遇にある患者です。ふたりは、互いの闘病を同じ病室で送るうちに、少しずつ心を通い合わせていくように…。
入院生活で出会った患者仲間は、見られたくない姿を見せ合い、辛い胸の内をぶつけ合いながら、病と闘う戦友のような関係になっていくことがあります。よく”ピア”という言葉で表されます。ピアとは、同じ病気や障害を抱えた者同士が、互いを支え合う関係性のこと。
ふたりは気晴らしにトランプを始めました。そのトランプが、ふたりの親交を深めていきます。隣り合わせた患者が親しくなるきっかけは、何か共通の楽しみごとであったりします。私の場合は、病室に持ち込んだ任天堂のゲーム機でした。このちょっとした患者同士の気晴らしが、決してばかにならないセラピーになるのです。
映画から得られる闘病生活のヒント③ 希望や夢
カーターのバケットリストをもとに、ふたりは、スカイダイビングやカーレースにチャレンジ。またエドワードの資金力を背景に、豪華な世界旅行の旅を実現していきます。その達成する姿は、見ていて胸がすくようです。
ふたりの真似はなかなか出来るものではないですが、今まで躊躇していたことを実際にやってみることのすばらしさを教えてくれるシーンが続きます。
映画ゆえに、その誇張されたシーンに驚かされますが、私たちなりの等身大の希望や夢にトライしてみる勇気を貰えます。例え、重い病を抱えていても。
映画から得られる闘病生活のヒント④ 大切な人
健康だったときにはあえて触れてこなかった課題が、エドワードとカーター、双方の胸を過ります。
それは一番身近な人への想いでした。重い病が切っ掛けとなって、あらためて大切な人と向き合うことになります。
大きな病気を抱えたときに、本音の話を聞いてくれる誰かがいると、とても救いになります。家族にも言えないような、言い辛い話をです。カーターとエドワードは、互いにその相手を見出しました。
希望を抱くこと、温かい家族、本音の話を聞いてくれる誰か、この三つがすべて揃うなら、ずいぶんと心強いでしょう。例えひとつだけでも、かなり違ってくるでしょう。
映画から得られる闘病生活のヒント⑤ 語られた名言・格言
この映画の中で、意味深い名言・格言がいくつも登場しました。下記にまとめます。
”人生を楽しめ”
”口より体を動かせ”
” never too late "
”目を閉じて、水の流れに身を任せるのだ”
”人生に喜びを見つけたか? 他者に喜びを与えたか?”
”我々は皆、同じ川に向かって流れている。その滝の先に広がるのが天国だ”
まとめ
この映画は、病気と闘う患者が出会うであろう様々なリアルを巧みに表し、私たちに何某かのエッセンスを示してくれました。そのエッセンスは、厳しい局面と向き合う人たちへ勇気と気づきをもたらすものです。
そのひとつに笑いとユーモアがあって、ヘンテコな高すぎるコーヒー『コピ・ルアク』の逸話に、エドワードとカーターも大笑いです。
ぜひ一度、この映画をご鑑賞ください。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。