とうびょうライトハウス

病気と向き合う方をサポートしたいブログです

闘病ショート回想(その3) ― 話を聴く・聴いてもらう(傾聴の大切さ) ―

今回は、私の過去の回想録と共に、話をきいてもらうことの大切さについて記事にしたいと思います。

闘病する人は、時々、誰かに話をしっかり聴いてもらうことがとても大切です。一方、闘病する人の傍にいる方には、時おり、その方の話を丁寧に聴いていただきたいのです。

闘病する人と支える人との間で、ていねいな傾聴が行われるなら、闘病する人の心の負担がとても軽くなります。きっと病状にも良い影響があると思われます。

闘病する人は、いろいろな思いを胸の内に留めてしまいがちです。その思いが積もり続けると心の大きな重しとなっていきます。

その負担を減らすため、安心して話せるどなたかに、胸の内を聴いてもらうことがとても大事です。話をていねいに聴いてもらうことで、心に堆積した思いのよどみが浄化していき、闘病する人の気持ちが柔らかくなっていきます。

家族、友人、パートナーさんは、大切な方の入院時、自宅療養時に、通常の会話とはちょっと違う、傾聴スタイルの会話を交わしましょう!きっとその方の気持ちに良い変化が表れて、表情も明るくなることでしょう。

記事の後半では、傾聴について記載しました。参考にしてください。

 

 もくじ

【私の傾聴体験 回想録より】

【傾聴について】

【まとめ】

 

f:id:dai7place:20201024101303j:plain

 

私の傾聴体験 回想録より

もう20年以上も前のことです。40度近い発熱と、うなり声をあげないではいられない痛み、そうした長く苦しい私の入院生活がひとまず幕を閉じます。

代わって、在宅での長い療養生活が始まりました。症状が落ち着いたのは良かったのですが、これからどうしようか、何をしようかと惑い始めることに。

その一方、再び体調が悪くなることへの不安も顔を覗かせます。気持ちが激しく浮き沈むある日、よく知る内科医師のところへ出かけてみることに。

 特に体調を崩していたわけではなく、親しい先生にちょっと話を聴いてほしくて、診察時間外におじゃましました。事前にアポも取らずに…。

先生のクリニックに着くと、書斎へと案内されました。応接セットのふかふかの椅子に腰をかけて先生と向き合い、最初にこれまでの経緯を話しました。すでに先生も大方承知のことではありましたが。そもそも現在の専門医を紹介してくれたのは先生でした。

いつも通り、にこやかに対応してくれる先生に気持ちがやわらいでいくのが分かりました。私は、自分の行き場のない気持ちを話し始めました。時に、ある事にしつこいくらい怒りをぶつけてみたり、時に、たわいもない事をだらだらと話したり。

そのような私に対して先生は、ふんふんと頷いたり、ほっーと関心してみせたり、そうなんだね、と分かってくれたり、とにかくていねいに私の話を、求められない限り私見をはさまずに、いつも通りのにこやかさで聴き続けてくれました。

当時は今ほど、カウンセリングや傾聴といった言葉が一般的に知られておらず、やっと世に広まり始めた頃でした。しかしながら、内科医として先生は、患者との対話の重要性に早くから気づいていて、傾聴やカウンセリング手法をすでに会得していたのです。

主に、話を聴いてもらうだけの個人面談のようなものを、10回近く受けさせてもらったでしょうか。ある日、いつものように話を聴いてもらった帰り道、ふと、自分の気持ちが真っ白になっているような感覚が…。なにかリセットされたような…。

確信めいたものが浮かんだとかいうのではなく、不安と惑いで埋め尽くされていた心の空間が、いつの間にかすっかり整理整頓されたような。不安や惑いがすべて無くなった訳ではないのですが、それぞれがちゃんと整理箱に収まったような感覚でした。

私は、この日から少しずつ、将来に繋がるアクションを起こし始めました。

 

f:id:dai7place:20201022112631j:plain


 

傾聴について

諸富祥彦先生の著書『新しいカウンセリングの技法』から引用させて頂きました。ご一緒に、傾聴についての理解を進めてみましょう。

「引用元:諸富祥彦(2014)『新しいカウンセリングの技法』誠信書房 19-27項」

 

■下記のように、諸富先生は傾聴の大切さを説いています。

「プロのおこなうカウンセリング」であれ、「一般の人がおこなうカウンセリング的かかわり」であれ、「気持ちと気持ちのつながり(リレーション)」のある「援助的人間関係」がその基本となります。

ではその「援助的人間関係」の確立には何が重要なのかというと、それはやはり「傾聴」です。相手の話にていねいに耳を傾けて、こころのひだまで「聴いていく」姿勢。「傾聴」があらゆるカウンセリングで最も重要なものです。

 

■下記のように、諸富先生は傾聴における基本姿勢として、三つ挙げています。

1.余計なことを言わない。

相手の話を聴くときに重要なのは、「何を言うか」ということ以上に、「どんなふうに相手の気持ちに寄り添って聴くか」ということ、そして「何を言わないか」ということです。

2.解決しようとするな、わかろうとせよ。

悩みを話してくれた相手に対して、何とか役に立とうと、「それは、こうすればいいんじゃないかな」「それは、こういうことだよ」と、すぐにアドバイスをする人がいます。もちろん善意でそうしているのですが、言われたほうは、かえってつらくなることがあります。

3.善悪を問わない、価値評価をしない。

「してはいけないこと」だということはよくわかっている。それなのに、つい「してしまう」ことが人生にはつきものです。だから悩んで、相談してくれたのです。にもかかわらず、「それはいけないことだ!」と一刀両断にされたのでは、本人は、ますます追いつめられてしまいます。「してはいけない、とわかっていても、してしまう」。その気持ちをじゅうぶんにわかろうとすることが大切です。

 

■また諸富先生は、傾聴してもらった人はどのようになるのか、について下記のように説かれています。

では、自分の悩みや苦しみを「わかってもらう」こと、「傾聴してもらえること」には、どのような意味があるのでしょうか。「傾聴してもらえて」「わかってもらえる」と、その人には、何が起こるのでしょうか。「わかってもらえる」ことで、人ははじめて、自分の気持ちに素直に向かい合うことができるようになるのだと、と私は思います。つまり、人は、誰かに「わかってもらえる」ことで、はじめて自分自身になれる。自分自身の内側にていねいにふれて、みずからのこころの声にやさしく耳を傾け、自分らしい生き方をし始めることができるようになるのです。

 

 ■傾聴の基本的な考えについて、ご理解いただけたでしょうか。他の文献では、以下のような解説もあります。

「引用元:鈴木秀子(2005)『心の対話者』文芸春秋 34-45項」

 

「話をしっかり聞く」というのは、具体的に、どのようにすることであろうか。それは、まず相手の話す言葉に注目し、言葉を聞き逃がさないようにすることである。さらに、相手がどのような表情、しぐさ、声の調子で言葉を発しているかに注目する。そうして、相手の話を否定も肯定もしないで聞くことができれば、さらに好ましい。

相づちの意味…「へえ」「そうですか」「なるほど」など、相づちにはさまざまなものがある。相づちは、「あなたの意見をしっかり聞いています」というメッセージを相手に伝えるための短い言葉であって、バーバル・メッセージとしての意味以上に、ノンバーバル・メッセージとしての意味が大きい。

※バーバル…言葉による。 ノンバーバル…言葉を用いない。

相手が話している際に、「ええ」「ほう」「ふむふむ」などと合いの手のように相づちを打つのは、首をかすかに振るうなずきと同様に、「聞いていますよ」「興味がありますよ」というメッセージを伝えていることになる。

 

傾聴について基本的なところを、文献を参照しながら理解を進めました。傾聴の基本的なところを理解するだけでも、日常生活の中で、大切な方との会話にそのメリットを活かせるのではないでしょうか。

 

まとめ

 私の回想録と共に、得られた大切な体験を踏まえつつ、傾聴をテーマにお話しました。傾聴される側の人は、聴いてもらうことで得られる効果があり、一方、傾聴する側も、大切な方との関係性がより良くなるという効果が期待できます。闘病中の方が、家族、友人、知り合いにおられるなら、その方との傾聴を意識した会話にぜひトライしてみてください。きっと、なにか良い変化、良いきざしが表れてくると思います。

 

dai7place.hatenablog.com

 

dai7place.hatenablog.com

 

dai7place.hatenablog.com

 

dai7place.hatenablog.com

 

dai7place.hatenablog.com