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闘病する人を支える公的相談機関(その3) ― 生活困窮者自立相談支援の相談窓口 ―

こんにちは。ジョニージョニーです。今回の記事をお読みになると、がんや難病などから経済的に苦しくなった時の相談先が分かります。

医療費の支払いに困った場合には、通っている病院の医療相談室地域医療連携室が相談に応じてくれます。また、長い闘病生活で職を失うなど、生活そのものが苦しくなっている場合でも、上記の相談先が対応してくれます。

一方、生活困窮の度合いが高くなっている場合です。その際には、お住まいの地域にある公的相談機関『生活困窮者自立相談支援機関』も選択肢となり得ます。左記は制度上の名称ですが、事業所(あるいは窓口)の呼び名としては、例えば「生活相談支援センター」「くらしサポートセンター」「自立相談支援センター」などの名称を掲げています。この機関では、生活に困窮する方(病気・障害・失業など)に寄り添いながら、個別に困り事のプランを立てて伴走するように支援します。

それでは、下記に詳しく解説します。

 

  もくじ

 

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 生活困窮者自立支援制度とは

生活困窮者自立支援制度は、これまでの縦割りの制度では対応できない複合的な課題を抱える人を広く対象としています。病気や障害、その他にも失業、リストラ、DV、ひきこもりなどから生活が行き詰まってしまい(または行き詰まる手前にある)周りのサポートを受けられずに困っている人すべての相談に対応します。基本的に「断らない相談支援」をモットーとしています。

『生活困窮者自立相談支援機関』の相談窓口では、どのようなことで困っているのかを聴き、必要な支援の計画を立て、連絡調整等の対応が取られます。

注1:福祉事務所のある市町村は「市町村」が、福祉事務所のない町村は「都道府県」が相談窓口の開設主体です。また、相談窓口は市町村等が直営で実施する場合と、NPO等の民間事業者に委託する場合があります。

注2:お住まいの地域の自立相談支援機関の相談窓口がどこにあるかは、最寄りの福祉事務所に確認するのが確実ですが、厚生労働省や各都道府県のホームページなどに窓口情報が記載されています。

注3:自治体が必ず実施しなければならない「必須事業」と、地域の実状に応じて実施する「任意事業」があります。

 

◇◇◇ 受けられる支援(必須事業) ◇◇◇

《 自立相談支援 》

 自立相談支援は、経済的な問題や生活上の困り事に対する総合的な相談支援であり、この制度の根幹となる支援です。

【内容】

専門の支援員が相談を受けて、必要な支援を相談者と一緒に考え、具体的な支援プランを作成して自立に向けた支援を行います。

下記に掲げる支援メニューの他に、保健所や精神保健福祉センター、ひきこもり地域支援センター、その他に各種支援団体とも連携して、それぞれの支援に引き継いだり役割分担するなどして継続的に相談支援を行います。

必要に応じて、生活福祉資金貸付制度(社協生活保護申請(福祉事務所)につなぎます。

 

《 住居確保給付金の支援 》

再就職のために住居が必要な人への住居確保の支援

【内容】

離職や廃業などにより住居を失った方、または失うおそれの高い人に、就職に向けた活動をするなどを条件に、一定期間、家賃相当額を支給します。生活の土台となる住居を整えた上、就職に向けた支援を行います。 ※資産収入要件あり、給付上限あり

 

◇◇◇ 受けられる支援(任意事業) ◇◇◇

《 一時生活支援 》

緊急に衣食住の確保が必要な人への支援

【内容】

住居がない人やネットカフェ宿泊を続けている人等、不安定な住居形態である人に、緊急的に一定期間、宿泊の場所や衣食を提供します。また、退所後の安定した生活を営めるような支援を行います。 ※資産収入要件あり

 

《 就労準備支援 》

就労に向けて準備が必要な人への支援

【内容】

「社会とのかかわりに不安がある」「他の人とコミュニケーションがうまくとれない」「生活のリズムが崩れている」などの理由から、直ちに就労が困難な人へ、一般就労に向けた技法や知識習得を促すプログラムを提供します。 ※資産収入要件あり

 

《 認定就労訓練 》

すぐには仕事に付けない人への就労支援

【内容】

直ちに一般就労することが難しい人に対して、「訓練としての就労体験」や「支援付き雇用(いわゆる中間的就労)」の機会を中長期的に提供し、最終的には一般就労を目指します。

 

《 就労支援 》

仕事探しに直結する支援

【内容】

仕事を探している人に、履歴書の作成や面接の受け方等の相談・助言を行います。また、ハローワークとの連携により職業紹介を行います。

 

《 家計相談支援 》

家計の見える化による家計再建の支援

【内容】

各種生活費、医療費の支払い、ローンの支払いなど、家計の立て直しをアドバイスします。税や保険料の滞納がある場合には、徴収部門の納付相談へつなぎます。また、債務整理の必要な場合には専門機関へとつなぎます。

 

《 子供の学習・生活支援 》

貧困の連鎖の防止のための子ども支援

【内容】

生活困窮者世帯の子どもを対象にした無料の学習塾日常的な生活習慣へのアドバイス、居場所づくりを行います。また進学に対する支援、高校進学者の中退防止に関する支援なども行います。

 

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◇◇◇ 他の相談先へつなぐ支援 ◇◇◇

《 生活福祉資金貸付制度 》

 社会福祉協議会世帯の状況と必要性に応じた資金の貸し付けを、無利子(連帯保証人がいる場合)または年利1.5%(連帯保証人がいない場合)で行う制度です。支援員が社協に同行してサポートします。

 

《 緊急小口資金 》

 上記の生活福祉資金貸付制度による支援の一つです。低所得世帯で傷病や賃金の未払いなどにより一時的に生活困窮となった際、その世帯に対して生活の改善・自立のために、緊急に少額の費用を貸し付けます。 ※自立相談支援事業を利用することが貸し付けの条件です。

 

生活保護申請 》

 支援員が相談者の状況から必要と判断した場合には、生活保護の申請に繋げます。相談者の生活保護申請の際は、支援員が市町村の福祉事務所へ同行します。

※保護の種類 … 生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助、一次扶助

 

☆☆☆下記に、生活困窮者自立支援制度による相談支援について、分かりやすく解説している和泉市の動画を置きましたので、よろしければご覧ください。


役立つ市政情報 知っ得!和泉くらし塾(テーマ:生活困窮者自立支援法とくらしサポートセンター)

 

 まとめ

生活困窮者自立支援制度は、単に経済的な問題を抱えた人だけでなく、病気や障害、ひきこもりやDV、日常生活・社会生活に課題がある人など、多様な課題がある人も対象としています。生活が苦しい中、どこに相談に行ったら良いのか分からない。いきなり市町村の窓口に行くのは気が引けてしまうなど、迷っているようでしたら、先ずはお近くの生活困窮者自立相談支援の相談窓口まで足を運んでみて下さい。

 

[参考文献:ケアマネジャー編集部『現場で役立つ!社会保障制度活用ガイド』中央法規、2019]

[参考文献:NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会『医療福祉総合ガイドブック』医学書院、2018]

[参考文献:西村健二『生活困窮者の支援方法と連携の仕方』日総研、2016]

 

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